〜　ロンドンのパブ　〜

【2】





1年中アルコールと言えば・・先ずは“Beer”

そして、英国人ではないので
そのビールには必ず何か食べるもの・・・
小腹が空いた時とか・・（クリスプスやチップスとか）
食事の時だったりとか（ジャケットポテトやサンドウィッチなど）を
必ず一緒にいただきます

しかし、様々な街でそのパブで最初の扉を開けるうちに
その中の様子が一瞬のうちに肌に感じられ、
せっかく開けたその扉をすぐさま閉じてUターンしたことも数多くあります

確かに「パブリック・ハウス」の略でもあるように
“誰でも入れます”・・・がっ！
女性でもあり一人旅が多い私にとっては
先ずはその一人で入っても「寛げる」ことに重点があります

それは英国ならではのお国柄

それは“階級”だったり、
“スポーツ/特にフットボールやダーツ”が売り物だったり、
“場所”が怪しげだったり・・といろんな空気を持った場所でもあります

ですから、今回も女性の一人旅で安心した場所にあり、
寛げる雰囲気もあり、
誰でも気軽に入れる「お休み処」で「お食事処」でもある
パブをご紹介いたします


生野菜もサラダとしてあります

アルコールがいただけなくても、
お茶とお食事でも大丈夫！

折角英国誇るパブ文化に
ちょっぴり触れてみるのも旅の醍醐味です

どうぞ、旅の中で1回でもこのパブで寛げたら・・
きっとまた通いたくなります

英国の人々は飲み物だけ！なんて方々が多いのですが、
人種違えば、胃袋も違います

愉しみ方が沢山あるパブを
少しでも楽しんでいただければ本望です







【ザ・シップ　タヴァーン】

THE SHIP TAVERN



The ship tavernの看板と入り口

左：地図上に記載されている目印の公衆トイレ
真ん中：トイレの右手方向へ延びる路地への入り口　左手側は本屋さん「BLACK WELL'S」
右：路地を見る　中央にパブの看板が見えます




ロンドンの中心でもある
このホルボーン駅から歩いてもほんの数分の場所にある
この古いパブは創業1549年
時代は遥か16世紀エリザベス１世の時代に遡ります

パブの歴史をひも解くと
その女王統治下時代にはまだ近辺には数少ない居酒屋でもあり、
また宿屋でもあったことは
名前の「Tavern=Inn/宿屋」ということからも解ること・・・

その時代はまだまだ国内宗教戦争真っ只中

エリザベス1世になってまだ年若い時代
その偉大なる女王の父君
故ヘンリー8世が王妃を次々と代えるために興した
イングランド国教/新教と最も対立していたのは
お隣の国アイルランドをも徹底的に弾圧したカソリック教/旧教



騒ぎの元　ヘンリー8世　wikipediaより

その旧教は
新しい君主になったエリザベス女王時代も
まだまだ根強く弾圧される時代でもありました

そんなカソリック教徒の聖職者達が逃げ込む場所でもあったパブです

しかし、度重なるパブでのその危険なカソリック集会は
何時しか女王の忠実なる臣下たちに見つかってしまった
血なまぐさい場所でもありました

密告により王党派達に取り囲まれ、
そのパブの貯蔵庫に逃げ込んだカソリック聖職者達が
次々にその場で処刑されたことにより
今でもそのパブの何処かしらから
その聖職者達の断末魔の悲鳴が聞こえる・・とも語り継がれています


パブの入り口はこんなに狭い路地


そんな歴史を伺う知ると
確かにこのパブの入り口はこんなに狭い路地裏
如何にも中世的な空気が流れます

きっと追い詰められた逃亡者達は
この路地を縫うようにして逃げ込んだに違いありません



歴史を思わせる古い風景画が並ぶパブの入り口


しかし、現在のパブの入り口は
チューダー様式のガラス扉が陽を受けて
とても美しい造りになっています

何となくこの空間に入ると
路地の喧騒がまったく入らず・・・ほっとした静けさが迎えてくれるのは
もうすでにその処刑された聖職者達の叫び声は
遠い遠い過去のものとして
何時しか葬られた歴史となったからに違いありません


その扉から正面は決して大きいとは言えないけれど
綺麗に並べられたお酒などがキラキラとしたカウンターになっています


パブのカウンター

ちょっと強面のバーマスターですが、
とっても優しい対応で拙い英語での注文にも我慢強く聞いてくれました

そして、寛ぐにはもってこい、の居心地良さそうなテーブル席



重厚な店内のテーブル席


先ずは歩きつかれたこともあり、
静かな窓際のテーブル席へ荷物を置いて、
じっくりとメニューを眺めます

実はこちらのパブでのお薦めのお食事は・・・と言うと
正統「フィッシュ＆チップス」
丁度お昼の時間ですからお食事にもってこいです！

しかも、このランチタイムには1パイントビールとセットで£10.25也
（週末になるとちょっぴりお安くなりますし、
もし、ビール抜きの単品だと£9.95になります）

その他お食事として迷ったのは
Tavernバーガー£9.95やプラウマンズランチ£8.95、
パイ＆マッシュ£9.55〜、サンドウィッチ£5.55〜・・と充実しています


パブ飯定番サンドウィッチ


しかし！！これに決めました

先ほど正面のカウンターへ行き、
ランチセットを頼みます
（その時に自分のテーブル席の番号などを確認しておくこと）

どのビールがそのセットになるのかを教えてもらって
好みのビールをカウンター越しに1パイントグラスのビールで受け取ります


暑かったので冷えたラガー　FOSTER


注文したお料理が出てくるまで
ビールをいただきながら旅のカードを書き始めました

そして、陽気なお嬢さんに運ばれてきた一皿
こちらのパブお薦めのフィッシュ＆チップスです


The ship tavernのフィッシュ＆チップス

どーんと出てきたこのお魚に思わず



かりっとした薄い衣と肉厚な白身の鱈
その下に引かれたざっくりとしたチップス
箸休め（？）にマッシュビーンズも付け合せについています

ナイフを入れるたびにサクサクという音にも嬉しくなります

夢中で食べて、飲んでいると、
何時しかお客さんも増えてきていました

周りを見渡すと中年女性の一人客、
若い女性の2人連れ、ご年配のご夫婦・・・と
カウンターには若い女性がビールを飲んでいます


人待ち様子のカウンターでの女性客

こんな風に様々な年代のお客様が入るパブは
一人旅の旅する者が一休みには
ついつい長居をしてしまうそうでした

やっと平らげたお皿を前に
すわり心地の良かったソファーから
おしりを剥がすのが辛かったけれど・・・
まだまだロンドンの観光を続けたい私はやっとのことで立ち上がりました

そして、陽の明るい外に出て
サー・ジョン・ソーン博物館を目指した私が
何かの拍子にそのパブを振り返ると
外のテーブルで昼食代わりにビールを楽しむ
ロンドンのリーマンらしき若い男性グループが見えました


反対側の路地から見たパブ


夏場はきっとこんな風に外でビールを楽しむ人々で溢れるのでしょう

2階はレストランになっていますので、
夜の食事にはゆっくりと楽しむこともできます

その場合はパブのサイトからテーブル席を予約することをお薦めします




細い路地の中心にあるので、
ちょっと解りにくいのですが駅から数分と便利なので
女性でも行きやすいと思います

どうぞ、一休みにお食事に・・・
パブへいらっしゃってみてはいかがでしょう



輝くばかりのフィッシュ＆チップセット　オブ　キング










毎回旅をするときに思うのが
“今回は旅の間に何度食事ができるだろう・・”ということ

それだけ「いやしんぼ」の私ですが
やっぱり一人旅が多いので安心して居心地の良い場所、と思います

でも、それはやっぱり残念ながら人それぞれの感じ方が違うもの

ご紹介した中で
そんな思いができなかった場合は申し訳なく思います

大事な1回のお食事なのに・・と・・・

そんな時は大変お手数ではありますが、
ご一報いただけたら幸いです


では、今年2009年最後の更新ページとなりますが、
数多くのサイトの中からお訪ねいただき、
本当に、本当に・・ありがとうございました

心より御礼申し上げます

来年も良いお年でありますように！
そして、どうぞ皆様にとって良い旅ができますように！！







どうぞ、このページに関するお問い合わせや
ご意見をお待ち申し上げております





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